プレジデントオンライン

40歳を過ぎてから気がついた「要領が悪いからできること」

2017年2月16日

PRESIDENT 2017年1月30日号 掲載

キャリアアップする、お金を増やす、家庭と仕事を両立させる、教養を高める。どうやったら「一段上」の自分になれるのか。達人たちのアドバイスを聞こう。

目的:キャリアを築く
●教えてくれる人:カルビー 上級執行役員 鎌田由美子さん

JR東日本ではエキナカ施設の「エキュート」を立ち上げたあと、青森駅前のA-FACTORYをはじめとする地域活性化プロジェクトに携わりました。2015年からは、畑違いのカルビーに転じて、役員として事業開発を任されています。友人からは「日の当たる道を歩いているね」といわれることもありますが、要領よくキャリアを築いてきたわけではありません。子供の頃から要領は悪いほうでした。

大人になっても相変わらずで、最初の「エキュート」を大宮駅につくったときも、プロジェクトのリーダーを任されたのに、何をすればいいかまったくわからなかった。それで最初の3日間、朝の始発から夜中の終電まで、大宮駅で駅を通り過ぎる人の後をただひたすらついて回って何を買うかを見ていました。コンコースは空調もされてなく、吹きさらしの風が冷たくて、使い切りカイロを何枚貼っても足りなくて、夜中の2時にホテルに戻ると体中ガチガチに凝っていました。

私はなんでこんなことしているんだろうって思ったりすることもありましたが、そういうことを続けているうちにわかってきたことがあります。

たとえば、女性が立ち食いソバを利用しないのはお蕎麦が嫌いなわけじゃなくて、あそこで自分が食べているのを見られるのが嫌なんですね。だったら女性が5分で温かい食事のできる場所をつくろうとか。もちろん私だけじゃなくて、プロジェクトに関わった部下たちと延々そういう話を繰り返して、ようやくあの場所、「エキュート大宮」は生まれました。

何をするにも時間をかけて自分で経験して、人の3倍は考えないと答えが出せないんです。しかし40歳を過ぎた頃、それでもいいと思えるようになりました。要領が悪いからこそ、上手くいく仕事もあると理解したのです。

ただし、それを貫くには、捨てることを学ばなければいけません。

■悩み、迷うことを思い切って「捨てる」

49歳で人生初の転職を経験しました。当然ですが、今まで培った経験やスキルはほぼ生かせません。かわりに、今まで見えていなかったものが見えるようになりました。何もかもが新鮮で、新しい人脈も増え、次から次へとやりたいことが出てきました。それで痛感したのは、今までの自分がいかに「やらない」を決めるのが下手だったかということでした。

キャリアアップすれば、仕事の幅は広がります。そういうときにこそ、自分が何をやらないかを決める必要がある。自分が本当に「やりたいこと」は何かを考え抜くためにも、たくさんの可能性の中から自分の「やること」を取捨選択しなければいけません。

それは大きな目標に限ったことではありません。私は2016年、ツイッターやフェイスブックなどのSNSをできる限りやめました。結局、ツイッターでは2016年にひと言も呟かなかったし、フェイスブックにアップしたのも1年間で2回くらい。それだけで、おそらく何十時間か自由な時間が生まれました。

2017年はさらにメールにかける時間をできる限り削るつもりです。毎日何十通も来るメールを、テンポよく処理していこうとすると、よく考えて丁寧に返信すべきメールをどうしても後回しにしてしまう。簡単に返信できるメールから片付けてしまおうとするんですね。でも、それをやっていると結局は時間切れになって、重要なメールの返信に時間がかけられないという本末転倒が起きる。だから、メールの返信は必要なものだけに限る。

講演依頼など、頼まれごとを断るときも同じです。今までは断るのが悪い気がして、相手を傷つけないように言い訳をしたり気を使っていましたが、それもやめようと思っています。相手にとっては、いくら言い訳をされても、断られるという事実は同じなわけですから。ぐずぐず悩むのをやめて、できませんと断ればいい。そのほうが自分も相手も時間を節約できます。

そうやって日常の小さな「迷い」を断ち切れば、意味のない罪悪感に囚われたり迷ったりする時間を、もっと有意義なことに使えるようになるでしょう。私自身は、読書のペースを上げてたくさん本を読みたいし、効率よく運動して体を鍛えたい。歌舞伎を観たり、生け花をしたり、もっと美術館に通っていい作品に触れて、自分の感性を磨きたい。仕事の正解というものがなくなってしまった現代では、感性がもっとも重要な武器だから。

そして、自分が本当にやりたい仕事に集中して取り組む。そうすれば、要領が悪くてもいい仕事ができるし、やりたい仕事をもらえます。遠回りのようでも、それがキャリアアップにつながる王道だと私は信じています。

▼「キャリアを築く」ためのアドバイス

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▼今年「やりたいこと」リスト6

1. 「やりたいこと」を考え抜く
2. 「やること」の取捨選択
3. 読書のスピードを上げる
4. 効率よく運動する
5. 文化への感度を上げる
6. メールの時間を削減

フィンテックなど今日的なテーマの本を効率よく読み進めたい

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▼今年「やめるべきこと」リスト5

1. 捨てることを決める
2. 後回しをなくす
3. 保管しない
4. 断る罪悪感をなくす
5. 小さな迷いをなくす

用事やメールと同様にモノの保管もなるべくしない

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(石川拓治=構成 永井 浩=撮影 AFLO、Startraks/AFLO=写真)


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