「引きこもり」するオトナたち
斎藤環氏×ひろゆき氏との特別鼎談で得た視点【後編】
「空気の読める・読めないで“身分階層”ができる時代
今こそ引きこもりが立ち上がり、地方議員になろう!」
2011年4月7日
前回に引き続いて、『ニコニコ動画』の生放送番組「ひきこもり社会日本」の第2弾「リア充への道(解決編)」の模様をご紹介したい。
最近“空気を読めない人”が増えている?
2010年6月に『ひきこもりから見た未来』(毎日新聞社)などを出版している精神科医の斎藤環氏(以下斎藤)は、「引きこもり」と病理性との関係について、こんな話を始めた。
斎藤「最近、無視できないのは、発達障害。疑わしいケースに心理検査を始めてみたら、該当者が多かった。基本的に、脳の器質的な疾患なので、社会情勢で増えたり減ったりするのはおかしい。それが、現実は増えているように見える。多分、昔もいたけど、気づかれにくかったのだと思います。最近は、空気を読めないKYな人っていうのが、非常に析出しやすい社会になっているわけですよ。クラスや職場などの空間で、ちょっと空気が読めないと“あいつは変だ”となってしまう」
これに対し、司会役を務めた元2ちゃんねる管理人でニコニコ動画を運営する「ニワンゴ」取締役の西村博之(ひろゆき)氏(以下ひろゆき)は、こう食いついた。
ひろゆき「昔は、バレない発達障害だった緩い症状の人も、今は“あいつ変じゃない?”と、すぐいわれちゃうんですか?」
斎藤「モノを片付けられないとか、だらしないとか、すぐいわれちゃうんですね」
ひろゆき「モノ片付けられない、だらしないって、フツーの人間なら当たり前のことじゃないんですか?モノ片付けるのが大好きってほうが几帳面そうで怖い(笑)。フツー片付けられない派だと思うんですけど」
斎藤「私もそうなんですけどね(笑)」
コミュニケーションスキルで身分階層が決まる!? 子どもたちの間に広がる“スクールカースト”
以前、当連載でも触れたように、発達障害の人たちは、広く職場や社会で活躍していることも知られている。
斎藤「ただ、“コミュニケーション偏重主義”みたいなものが蔓延している。企業も、学歴以上にコミュニカティブかどうかで採用基準を決めちゃっている。子どもたちの間でも、コミュニケーションスキルによって身分階層である“スクールカースト”がある。教室の身分制が何で決まるかというと、笑いが取れて面白いヤツですね」
ひろゆき「面白いグループ、イケメン、リア充グループが頂点にいて、オタクのグループが下っ端にいる。世界中に、その階層がありますよね(笑)」
斎藤「スクールカーストとコミュニケーション偏重主義は、全世界的傾向で、上位のヤツらがツイッターとかやってるんだと思いますけど(笑)」
ツイッター層は上位って、ほんまかいな?という話ではあるが、そんなような階層化が世界同時進行で起きているのだという。
「引きこもり」するオトナたち
- 斎藤環氏×ひろゆき氏との特別鼎談で得た視点【前編】
- 就職は必ずしもゴールではない!
- 「引きこもり」脱出は不可能ではない!
- 自殺や精神疾患による経済損失は年間約15.2兆円?
- ネット掲示板やメールのように傷つくこともない
「会社に行けない」「働けない」――家に引きこもる大人たちが増加し続けている。彼らはなぜ「引きこもり」するようになってしまったのか。理由とそうさせた社会的背景、そして苦悩を追う。
■著者紹介
池上正樹 [ジャーナリスト]
1962年生まれ。大学卒業後、大手通信社や制作会社の勤務を経て、フリーに。月刊誌や週刊誌、夕刊紙で、ひきこもり現象や健康医療、マンションなど、医・食・住のテーマを主に手がける。著書は、『ハッピー リタイア マニュアル』(ゴマブックス)、『痴漢「冤罪裁判」』(小学館文庫)、『「引きこもり」生還記』(小学館文庫)など。
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